【読書メモ】響け!ユーフォニアム決意の最終楽章 後編

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タイトル通りで『響け!ユーフォニアム北宇治高校吹奏楽部 決意の最終楽章 後編』を読んだ簡単な感想をつらつらと書きます。

 

ネタバレ含むので未読の方は注意。

 

 

 

◎久美子の物語

今作は前の作品より増して久美子の物語って言うのを強く感じる構成になっていました。

作者の武田綾乃さんの癖というかわざとやってると思うんだけど、スポットライトを当てる人物が認識していない人物や、話は意味ありげな風を出すだけでノータッチでスパーンと飛ばしちゃう。

これ自体は読み手側の妄想とか解釈とかが膨らむので個人的には好きなんだけど、今回はいつにも増してこの手法が多く取られていたのでいろいろ気になる点がありつつも外伝に期待って感じになって非常にもどかしい…笑

も、もどかしいながらも久美子の話に集中できたという意味ではよかったのかなぁと思います。

久美子自体も一年生に比べるとアレな発言とかも減って成長を感じるし、今作のボス真由との演説を含めたシーンとかを見てると内面での成長が感じられて保護者のようなお気持ちで見守ってしまいました。

 

◎あすかの今

ちょっとだけ言及がありましたが、まさかの香織先輩と同棲してるあすか…めっちゃ笑ってしまいました。

まぁ映画の時に2人で見に来てるシーンや指輪のほのめかし方(どこかのシーンで2人が指輪チラチラさせてたシーンあったと思うんですけど、もしかしたら妄想かもしれない)を見るにデキてると思ってましたよぼくは。

晴香(一年のとき部長)があすかの家庭問題でごちゃごちゃした時に『あすかも特別じゃなかった』って反省してたとこあったじゃないですか。

あの話を香織先輩が持ち出して晴香は特別じゃなかったって言ってたけど、わたしにとってはやっぱりあすかが特別だっていう話で、これを言及してきたのめっちゃワクワクしましたね。

作者さんが特別…って言葉に重きを置いて随所に出してくる(主だったところでいうと麗奈と久美子、みぞれと希美とかね)と思ってるんだけどここでも出てきたか…!!みたいな…笑

今作は久美子の話だから深い言及はなかったけど、あすかと香織の短編を期待したい。(この作者さんは投げっぱなしにするところもあるからこのままかもしれないけど)

 

◎みぞれと希美の今

作中で大学に進学したみぞれの音楽コンクールに夏紀&優子の仲良しコンビと久美子、麗奈、希美で行くという話で先輩チームの今への言及が。

ぼくはリズの青い鳥の映画がかなり好きでみぞれと希美の2人スポットライトが当たって結構嬉しかったなぁ。

ただ描写自体は不穏&不安な感じでもう一波乱というか一冊分くらい何か書けちゃうのでは?って感じ。

『彼女の象徴あるポニーテールはほどかれ、長い黒髪がその背中で微かに波打っている』

とか

『希美先輩は音楽を続けているんですか?』と久美子が問うと、希美は静かに目を伏せた。長い黒髪の先を、彼女は自身の指先で軽く梳く

とかね。リズの青い鳥でこれでもかって描写された希美の髪を触るシーンがここでもまた出てくるんですよね…!

こののぞみのコンクールシーンはめちゃくちゃいろんな種が蒔かれていたと思うので何回も読みましょう(なお作者か投げっぱなしする可能性もry)

 

 

こんな感じでしょうか?シリーズとしては一旦完結ということですが、外伝てきなものを書く予定があるとのことなのでそれもまた応援、期待したいですね。シリーズものをしっかり完結するというのはなかなか難しいこと(DDD3巻…うっ…頭が…)でそれをしっかりやり遂げた作者の武田綾乃さんにはお疲れ様を送りたいです。

 

ではでは。