【パイオニア】アブザンパルヘリオンデッキガイド【MTG】

どうもあるくです。

前回のエスパーパルヘリオンに引き続き、アブザンパルヘリオンも解説していこうと思います。7月後半から徐々に頭角を表し始め、8月のメタゲームでは最有力デッキの一つまで駆け上がってきたアブザンパルヘリオン。急にメジャーになってちょっと寂しいですが…笑

このデッキも50マッチ以上+MOリーグ10回以上は回してるので結構経験値が蓄積したものをご紹介できるかなと思います。チャンピオンズカップ予選のエリア予選ではあと一歩で権利獲得まで行きましたが力尽きました(無念)

 

 

サンプルデッキ

 

 

サンプルデッキ(MTGA版)

アリーナ版は《サテュロスの道探し》《突然の衰微》《ウルヴェンワルドの横断》などのカードがありません。また筆者のアリーナ資産が全然ないため(始めたのがD&Dのため)マナベースは随時調整してください。このサンプルデッキでも勝率70%くらいでミシック到達を何回かしています。

 

 

○強み

・墓地肥やしのスピードがとても速い

 

忌まわしい回収キャスト。5枚めくります。脂牙を手札に加えてパルへリオンⅡは墓地に落ちました。うおおおお



≒コンボ達成までがとても速いとも言い換えられます。白黒緑のカラーリングになったことで《忌まわしい回収》《サテュロスの道探し》という強力なカードを複数枚採用できるようになりました。エスパーカラーの《信仰の繕い》などと比べると墓地肥やしのパワーが段違いなのが分かります。

 

・ミッドレンジプランが強力

場に出すだけで2/2トークン×2に加えて本体も4/4ってまじ?(ニャーン)

《脂牙》とのコンボ先として採用されている《エシカの戦車》がコンボデッキとしてのシナジーを形成しつつ、通常のキャストも強力というカードでコンボしないミッドレンジプランを大きくパワーアップさせました。《パルヘリオンII》には劣りますが《エシカの戦車》を《脂牙》からつりあげた場合も4/4速攻でアタック+場に2/2が3体残るという相当なマウント力があります。

 

・墓地対策対策の充実

インスタントっぽい顔をしているけどソーサリーのため注意(1敗)

アブザンパルヘリオンというデッキですがメインボードから《ウィザーブルームの命令》というカードを2〜4枚採用していることが多く、このカードのモードに《2マナ以下の土地でもクリーチャーでもないパーマネントを破壊する》というものがあります。環境に蔓延る墓地対策はほとんどが《未認可霊柩車》や《安らかな眠り》などの2マナ以下なので概ね全ての墓地対策カードに触れるgoodカードなのです。またサイドボードには《突然の衰微》が入っており、このカードも墓地対策を触りながら、必要に応じてクリーチャーにも触ることができる強力なカードです。これらのカードを無理なく入れることができるので墓地対策されつつもコンボへ向かうことができます。

《虚空の力線》?おれがわからせてやりますよ(怒)

また団結のドミナリアで《羅利骨灰》という強力な新規カードも獲得しました。《虚空の力線》を置く不届きものはこれで成敗しましょう。またカラーリング的に《消失の詩句》も採用検討圏内です。

 

○弱み

・《大いなる創造者、カーン》

パルへリオン使い全ての仇。お前のせいで…おれの父さんは…

《大いなる創造者、カーン》は忠誠度能力でメイン戦から墓地対策を持ってくるだけでは飽き足らず、常在能力でアーティファクトの起動型能力を封じる効果をもつ、パルヘリオンデッキを使う全ての人間の敵とも言えるカードです。ちなみに筆者はロータスコンボデッキも使うので恨みは他のパルヘリオン使いよりも深いです…笑 いかにしてこのカードを乗り越えるかがゲームのポイントになるでしょう。

 

・手札を捨てるカードが少ない

コモンカードなのにデッキの潤滑油的な存在

アブザンパルヘリオンは他のカラーリングに比べ、青&赤のカラーが絡まない関係上手札を捨ててドローなどのカードが少なくなっています。《ラフィーンの密通者》や《朽ちゆくレギサウルス》、《歴戦の神聖刃》などクリーチャー効果に依存しがちで《信仰の繕い》のようなインスタントタイミングでカードが入れ替えることが難しいです。

 

○採用カード紹介

クリーチャー編

《脂牙》

主役カード。たまにビートダウンすることも。

サテュロスの道探し》

2マナ1/1の貧弱なボディだが場に出た時、4枚墓地を肥やすことができる点が非常に強力。《脂牙》を場に出してコンボするor《エシカの戦車》でビートダウンする関係上、3枚目以降の土地は絶対に必要になってくるので土地を回収できる点も優秀です。4枚めくりなのでまあまあ道探し失敗するのはご愛嬌です。

 

《ラフィーンの密通者》

場に出た時《謀議》を行うことで手札を捨てることができ、手札に来てしまった《パルヘリオンII》を墓地へ送り込むため役割を担います。《謀議》によりカウンターが乗るとパワー3になるため、スカイソブリン搭乗員としての仕事やコントロール相手にクロックを刻んでくれたりと意外と仕事するコモンカードです。

 

《黄金の牙、タシグル》

探査持ちのファッティです。4/5のボディはアグロ系統に対して時間を稼いでくれるほか、《脂牙》に打つはずだった火力を吸ってくれることも往々にしてあります。《忌まわしい回収》と相性が抜群で5枚一度に墓地に落ちるので(5枚めくり+1枚回収+唱えた《忌まわしい回収》で5枚です)そのまま1マナでキャストできます。マナ能力はおまけですが、探査コスト支払時には意識して墓地に残すカードを選ぶとなお強く使えるかも。

 

 

スペル編

《忌まわしい回収》

緑を選択する理由の1枚。5枚というめくる枚数の多さもさることながらインスタントなのでぎりぎりまで墓地にカードが行かないプレイができる点が強いです。また土地だけではなくクリーチャーも回収できるのが魅力。このカードで《パルヘリオンII》を墓地に落としながら《脂牙》を回収するのが最高に気持ちいい。

 

《ウルヴェンワルドの横断》

基本的には基本地形サーチの1マナスペル。昂揚達成していると土地に加えてクリーチャーをサーチできるようになるびっくりカード。2〜3枚目の土地に確実辿り着く序盤の安定感に加えて、後引きしてもコンボのキーカードである《脂牙》にアクセスできるのがとても強い。サイドボードからピン刺しするクリーチャーカード(例えば《長老、ガーガロス》など)にアクセスするのにも使えるので非常に便利。

 

《ウィザーブルームの命令》

ストリクスヘイブンの命令サイクルの1枚。複数モードから場の状況に合わせてモード選択できる点が優秀です。主に3枚切削のモードと2マナ以下のパーマネント破壊のモードを使うことが多いです。めちゃくちゃインスタントっぽい見た目ですが《プリズマリの命令》などとは違いソーサリーなので注意しましょう(1敗)

パルヘリオンデッキが苦手な緑単信心に対してはタフネス1の《ラノワールのエルフ》や《エルフの神秘家》に対して-3/-1修正のモード+《狼柳の安息地》にパーマネント破壊のモードを合わせて1:2交換できる場面が頻発するので狙っていきましょう。

 

《未練残り》

コスト制限付きのリアニメイト。手札に来て欲しかった《脂牙》が勢い余って墓地に落ちてしまった時に回収するためによく使います。フラッシュバック付きのスペルなので《未練残り》を墓地に落としてしまった場合も5マナあればリアニメイトとして再利用できるのがデッキと噛み合います。《脂牙》をリアニメイトするのが主な使い方ですが、手札の《パルヘリオンII》を捨てるために《ラフィーンの密通者》をリアニメイトするのもまた多いです。そのほかサイドカードの《墓地の侵入者》などミッドレンジプランでの利用もたまにあります。優秀なカードですが墓地が肥えていないと使えないカードで単体での役割は薄いのでサイドボード後ミッドレンジプランを取る際には枚数を減らすこともままあります。

 

機体編

《パルヘリオンII》

デッキ名にもなっているエース機体。問答無用の強さ。

《エシカの戦車》

緑を選択する最大の理由。コンボデッキのコンボを妨害された時にどうするかを解決してくれた1枚。4マナという現実的なコストに加えて、墓地に落ちたら落ちたで《脂牙》とシナジーする点は最高にデッキと噛み合っている。《エシカの戦車》を連打する展開自体が強力なので《パルヘリオンII》が墓地に落ちなくても《エシカの戦車》でビートダウンを決めてしまうことも結構頻発します。

 

《領事の旗艦、スカイソブリン

追加の機体。場に出た時3点+攻撃時に3点なので押されてる盤面では非常に重宝する1枚。マスト除去の《鏡割りの寓話》や《大いなる創造者、カーン》などを狙い撃ちたい。他の機体と比べ、場にトークンが残らない点がネックでこの機体だけで勝つのは難しいが頼りになる一枚。またラクドスミッドレンジ系統に強いカードになるのでラクドスミッドレンジに対して厚くとる場合は枚数を増やしてみましょう。

 

サイドボード編

《致命的な一押し》

イオニアリーガルの汎用除去。デッキ構成的に《紛争》達成はあまりしないので序盤の盤面整理に使いましょう。

 

《突然の衰微》

緑を選んだことにより使えるようになった強力な除去。3マナ以下のパーマネントに触れるので《未認可霊柩車》や《安らかな眠り》などの墓地対策を睨みながら盤面に応じてクリーチャー除去になる点も見逃せないポイントです。打ち消されないスペルなので《墓地の侵入者》の護法を貫通して除去できる点も優秀です。

 

《強迫》

追加のハンデス。主にコントロール相手にサイドインします。緑単信心が増加している環境ではメイン投入も要検討。

 

《未認可霊柩車》

最近定番の墓地対策カード。ミラーに対して特に有効でアブザンカラーではないパルヘリオンデッキによく効きます。

 

《墓地の侵入者》

軸ずらしサイドボード用カード。ゴルガリミッドレンジ風にサイドボード後戦う際に使います。具体的にはコントロールやイゼットフェニックスのようなデッキ相手にサイドインが多いです。おまけに同型にも結構効くのがえらい。この枠は《未認可霊柩車》に寄せて別のミッドレンジプランを採用する選択肢もあります。

 

《長老、ガーガロス》

ラクドスミッドレンジや同系ミラー、一部のアグロに対してサイドインするカードです。6/6の強力なボディにドロー、ライフゲイン、ブロッカー生成と能力も優秀です。ピン刺しですが《ウルヴェンワルドの横断》の昂揚達成からサーチできるのでアクセス自体はそこそこできます。

 

マッチアップ所感

基本

どのマッチも基本的には自分都合で考えることが多いです。不利な相手も3ターン目にコンボが決まれば勝ちますし、有利な相手も全然キーカードを引けずに負けてしまうこともあります(当たり前)相手によってマリガン基準を意識してみることなどが有効なのでいろいろ試行錯誤してみてください。

🆚緑単信心

不利〜微不利

 

無限に書いてますが《大いなる創造者、カーン》が致命的なカードです。即座に処理できないと大体負けなので出される前に勝つ!出されても処理できる盤面を作ることを意識しましょう。《大いなる創造者、カーン》自体は小マイナスの能力から入ることが多いので返しに《領事の旗艦、スカイソブリン》を出したり、盤面のクリーチャーを退けていれば《ラフィーンの密通者》+1で倒せる範疇ではあります。

 

速度的にはやや有利かつ、《脂牙》に触れるカードはないのでコンボ成立してしまえば押し切れることもままあります。

 

🆚イゼットフェニックス

微不利〜五分

 

メインから《脂牙》を触れる3点以上の火力を6〜8枚擁しており《脂牙》を通すのが難しいマッチアップです。メイン戦は《思考囲い》をセットにしたり、《未練残り》や2枚目の《脂牙》などバックアップのある状態で対応を要求できるとGOODです。

 

サイドボード後は《墓地の侵入者》や《茨橋の追跡者》などミッドレンジプランをしつつ、除去を打ち尽くした後に《脂牙》で決めるルートなどを意識すると○。打ち消しが少ないデッキですのでエシカの戦車連打なども相手に対して相当の圧力になります。

 

🆚赤単

微有利〜

 

結構有利なマッチアップですが、3マナスタートのような甘い手札ではいかれてしまうので注意。《脂牙》をインスタントタイミングで除去できるカードがメイン戦は《稲妻の一撃》程度なので思ったよりコンボ始動できます。

 

インサイド通じて《エシカの戦車》がナイスブロッカーで積極的に出していきたいです。サイドボード後は《引き裂く榴弾》や《丸焼き》など火力に加え、《未認可霊柩車》など一通りの妨害が入ってくるのでコンボルートは結構難易度が上がります。《引き裂く榴弾》は白に対する除去なので《墓地の侵入者》や《茨橋の追跡者》などミッドレンジプランの追加クリーチャーには当たらないのでミッドレンジを意識しつつ、攻めていきたいマッチアップです。

 

🆚ラクドスミッドレンジ

五分~微有利

 

メインから墓地対策のある相手は苦手です(当たり前)《墓地の侵入者》がネックになるマッチアップです。特に《鏡割りの寓話》と《墓地の侵入者》がセットで揃ってしまうとコンボルートがかなり厳しくなります。

 

とはいえ《領事の旗艦、スカイソブリン》あたりを引けると盤面の整理できるので絶望するほとではありませんが。《領事の旗艦、スカイソブリン》はラクドスに対して有効なカードなので意識して使いましょう。

 

サイドボード後は《戦慄堀り》などのソーサリー除去が減るので《長老、ガーガロス》をいれ、《墓地の侵入者》などのミッドレンジ系カードもサイドインして墓地の依存度を下げます。

 

サンプルのリストは《領事の旗艦、スカイソブリン》2枚に加えて《黄金牙、タシグル》も2枚とっているのでラクドスミッドレンジへのガードをかなり上げた構成になっており、五分くらいは取れているかなという印象です。とはいえサイドボード後に《害悪な掌握》の緑白両対応の除去を入れてくる相手には勝率が下がりますし、《虚空の力線》はマジで終わっているカードなので出されたら無理なサイドインからの事故が起きることを祈るしかありません。

 

🆚青白コントロール

有利

 

基本的には有利なマッチアップです。《エシカの戦車》や《ラフィーンの密通者》、《黄金牙、タシグル》などでクロックをかけながら全除去の返しに《脂牙》で仕留めるイメージでプレイします。《告別》はこちらに対する完璧なリセットボタンなので6マナ域に入ったら撃たれるかもと念頭に置いて返しはどうするか意識したいです。

 

サイドボードとしては《強迫》、《沈黙》、《墓地の侵入者》などをサイドインしてミッドレンジ感を強めながら隙あらばコンボするイメージです。ゲームを通じて《夢さらい》はこちらの対応札0なのでハンデスで落としておけると安心です。また相手が露骨な除去構え、打ち消し構えの時は《エシカの戦車》や《黄金牙、タシグル》などでジャブ打ちしていきましょう。

 

🆚青単スピリット

不利

 

普通にプレイすると概ね負けるので相当キツめのマッチアップです。墓地肥やし系カードほとんどに打ち消しが当たってしまうことと、頼みのミッドレンジプランの《エシカの戦車》のトークンがブロッカーにならない点が相当厳しいです。ライフ削りのスピードが相当速いのでこちらも最速コンボ目指してレースして行きましょう。

 

サイドボード後は《突然の衰微》や《致命的な一押し》が入ってきて多少改善されるのでちょっと不利くらいの相性感です。スピリットが増える読みなのであれば《空殴り》などの専用サイドボードを取るのも一考ではあります。現状は数も多くないので専用のサイドは取っていません。《鎖霊》のタップ能力が致命的なので除去は《鎖霊》から優先して使っていきましょう。

 

🆚ボロスヒロイック

不利

 

メインから《脂牙》をインスタントタイミングで除去できるカードを擁しつつ、クロックも早いアグロデッキなのでまあ有利ではありません。サイドボード後は除去が入ってくるのでプロテクションをうまくかわし、クリーチャーを整理できれば結構時間が稼げるのでコンボ決めてやりましょう。《無謀な怒り》は対象を2つ取る除去なのでスタックで除去してもフィズらない点は注意しましょう。サイドボード後は《引き裂く流弾》《丸焼き》あたりがあるかもというのは頭の片隅には置いておきたいです。

 

 

おわりに

どうだったでしょうか。パイオニアの競技シーンでずっと使っていたので相棒といえる思い入れのあるデッキになりました。コンボデッキは決めたときの爽快感はすごく楽しいのでぜひ遊んでみてください。ではまた次の記事でお会いしましょう~